ギターはアンプシュミレーターを使っていいのか
アンプシュミレーターはダメなの?
まぁ、意外な話ではあるのですが、どこかのライブハウスでライブをするに当たって、ギターアンプシュミレーターからのPA通しで音を出して欲しいとお願いしたら、断られたと…。
どういうことか、わかるかしら?
通常はギターアンプからの音をマイクで拾うところを、アンプを使わず、マルチエフェクターとかのギターアンプシュミレーターの機能を使って、ラインアウトから直接PA卓に通して、PAのスピーカーから音を出して欲しい、というのが、この出演者の希望です。
その旨を伝えたら、PAさん側からダメと言われたということです。
う〜む。
通常の機能を備えたPAシステムなら、本来は全くNGではない話なんですけどね、これ…。
でも、NGってことは何か理由があるのでしょう。
どこのライブハウスの話かわからないので確認のしようがないんですが、想像で仮説をば披露いたします。
実はうちもお勧めはしていないのです
まずですね、店主的にも、アンプシュミレーターからのPA通しは、実はあまりお勧めできません。
なぜなら、残念ながらアンプシュミレーターからのモノって、そんなに「リアル」な音が作れないから、なんです。
正直、嘘くさいラインアウトっぽい音なんですよ。
音の伝わり方として、空気を介してないから、空気感がないんですね。
レコーディングとかではある程度使えるとは思うんですが、PAから出すと、もう本物のアンプの音をマイクで拾った時の空気感が出なくて、使えない音にしかならないんです。
だから、PA通しの音「のみ」でやろうとする人がいたら、お勧めしない旨は伝えています。
どうしてもアンプシュミレーターを使いたい場合はどうすればいいかっていうと、信号を分けるパラアウトができるはずなので、アンプシュミレーターの音をPAからも出すけど、同時に、普通にギターアンプからも音を出してね、っていうことです。
基本、アンプからの音は欲しいのです。
アンプからの音に、プラスでラインからPA経由の音があると、PAオペレーター的には音量コントロールがし易くなるので、ギターソロの音量調節の時にかなり助かります。
下記のような感じ。
<超絶いい>
アンプの音 + シュミレーターからのPA通しの音
<まぁ普通>
アンプの音のみ
<やめてくれ>
シュミレーターからのPA通しの音のみ
なのです。
そうじゃないとするともうわからん…
こんな感じで特に技術的にダメな訳ではないのに、何でダメなんでしょうね?
これ以外だとすると、ライン用のチャンネルが足りないとか?
足りないとすると、すでに鍵盤楽器3つで全部ステレオアウト希望とか、そんな感じだったんでしょうか(チャンネル使いすぎのバンドさんたまにいるので)?
それとも、ライブハウス側が用意しているライン用のチャンネルが少な過ぎるとか、そもそもないとか?
普通のまともなライブハウスなら、そんなことはないはずだけど…。
というか、もしかしたらドラムセットがあって家庭での練習用のギターアンプが置いてある程度の店(ショボい店)、の話だったりして…(苦笑)。
ちょっと、実際の状況を知らないので、何とも言えませんが。
そうでもなく、アンプシュミレーターのPA通しを断るとすれば、それは単に「手抜きPA」で、面倒臭いことをしたくなかっただけとか(笑)?
PA通すと、イコライジングとかいじらないと音的に使えなかったりするので、そういうのに応じると正直言って面倒臭いんですよね…。
実際に、PA側の音作りに時間がかかるんです。
リハの時間が、足りなくなる。
でもまぁ、手抜きPAならそもそもイコライジングの設定自体しないだろうから、シュミレーターからのPA通しでもあまり問題なさそうですけどね。
アンプからも音を出してくれればOK
ということで何でNGだったのか結局わからないけど、アンプシュミレーターからのPA通しをしたい人は、パラアウトでギターアンプからも音を出して下さいね。
それだったら、音質的にいい感じにできると思います。
演者の演奏のクオリティを守るためにも、PAさん的にはそれを求めています。
ショボい音しか出せなかったら、それはそれでPAさん的にはストレスなんです。
いつでも、一番いい音を作りたいものなんです。
PAさんは、出演者にいい音を出してもらいたい、と思っていますよ!
ってなことを記事で書いた訳ですが、後日談として、今のアンプシュミレーターはかなり良くできていて、アンプから音を出さずとも、PA通しのみで良い音をしている場合がありました。
機材は、進化していますね。
あ、でも、音色をちゃんと使いこなせている場合のみ、PA通しのみでもいい、ということですよ。
基本は、やっぱりアンプからも出して欲しいです。