バンドが一生懸命宣伝するのは当たり前
18年7月の話なんですが、ツイッターでこんな記事が炎上していました。
最近知った事実!
バンドマンがお客さんにDMとかしてライブ来てって誘ってるってこと!
びっくり!
それってお客さんなのかな、それとも友達なのかな。
そもそも、ライブ見に来てってDMを送ることすらかっこ悪い気がするけど。
それでもステージでカッコつけるのかな、その人たちは。
というもの。
どこの誰なのかはよく存じ上げないのですが、おそらくインディーズで頑張ってるそこそこ人気のバンドのメンバーさんなのかな?
ご本人はのちに釈明してまして「意図が伝わらず誤解を招いた」的なことをおっしゃっていますが、それって苦しい言い訳にしか感じません。
書いた時は本当に文面通りにそう思って、書いたはずです。
それが炎上しちゃったので、自分の意図が伝わらなかった、ってことにして誤魔化そうとした、みたいな。
まぁ、それはどっちでもいいんです。
この文章を、普通に読み取れるように読み取ると、「いい音楽やっていればお客さんなんて勝手に集まるに決まってるじゃん」って思っている、ってことですよね。
もちろん、下積みをしないでメジャーデビューしちゃった人なんかだと、本当にこういう風に感じているんだとは思います。
当該の人が、実際にはどんな感じなのかは知らないんですが。
商品価値があれば宣伝は要らない?
こういうのって、色んな人が色んな場面で、本気でそう思っていることだと思うんですよねぇ。
商品がよければ、絶対に売れるはず、ってね。
でもね、それは絶対に違いますよね。
分かり易く言い換えると、このバンドマンさんが言っていることは、例えば美味しいラーメンさえ出していればその店は絶対に人気店になれるはず、っていうことですよね?
でも、世の中見渡すと、そうじゃない。
日高屋のラーメン、散々不味い不味いって、みんな言いますよね。
会長自ら「日高屋のラーメンて、マズイでしょ?」なんて冗談を言うくらい…(苦笑)。
僕はそもそもラーメンを食べないので、日高屋のそれが美味しいか不味いかを知らないんですが。
その不味いはずの日高屋って、一部上場企業なんですよ。
つまり、ものすごく売れてるの。
大人気なんです。
かたや、日高屋ではない、美味しいはずのラーメン屋は、開業から半年も経たずにどんどん潰れていきます。
まぁ本当に美味しいかは分かりませんが、少なくともそのラーメン屋の店主は、自分のラーメンが世界一美味しいと思って開業するはずです。
日高屋のラーメンなんて「不味い」と否定して、自分の方が絶対に美味しいものを作っているって自信満々に。
でもね、日高屋には敵わないんですよ、その美味しいはずのラーメンは。
つまり、商品がよければ絶対に売れるはず、っていうのは、間違っているっていうことです。
だって、「不味いはず」のものの方がめちゃくちゃ売れてるんだから。
日高屋は、商品がよければ売れる、という発想ではなく、商品そのものじゃない部分で、売れる様に工夫をしているという事です。
その、商品そのものじゃない部分の工夫が爆発的に効果を発揮しているから、一部上場を果たせているんです。
DMを送って宣伝を頑張るのは当たり前
つまり、バンドマンが自分でDMを送ってライブにお誘いするっていうのは、普通のことでして。
宣伝したり、いろんな手段で知ってもらったり、音楽以外の努力って必要だと思うんです。
バンドメンバーが自分で宣伝して、一生懸命に集客のための働きかけをして、それでやっと動員できるっていうので、いいんです。
かっこよく音楽だけやって、曲が良ければそれで自動的に集客ができる、なんていう事は普通はないんですよ。
皆さんも、いい音楽さえやっていれば集客できるはずだ、なんていう「勘違い」は、絶対にしない様にしましょうね!
あ、でも、もちろん、ライブがショーであることを忘れずに(こちらを読もう)、選曲から何からクオリティを上げておく事は、必須ですけどね。